データでみる利用者様の新たな一面。

 こんにちは。ラファミド八王子Ⅰ・Ⅱ・Ⅵ棟で世話人をしている秋山です。

 夏も本番に近づき、日々暑さが厳しくなっているこの頃ですが、皆様の体調はいかがでしょうか?

 さて、本日はタイトルに記載しましたように、とある利用者様(仮にA様とします)とデータについてお話をさせて頂ければと思います。

 データを取り始めたきっかけはA様の担当になり、初めて通院に同行をさせて頂いた時に主治医とA様の会話の中で、日常生活について職員の抱いている印象と違い、違和感を覚えたことが始まりでした。A様がおられる棟はアパートタイプで、ローテーションで代わる代わる職員が概ね1名入る為、週1回程度しか担当職員は入りません。それ以外の日のご様子は、終礼時の他の職員からの報告や記録の確認をしたりで、中々毎日のご様子を直に見ることはできませんでした。担当職員が抱く印象と主治医の前でのA様の普段の生活の様子を話される内容が「あれっ?そうだったかな…」と思い、他職員の方の協力を得ながらご様子を記録とは別に朝夕の服薬時間・通所・入浴・共用部清掃(トイレ掃除)・調子の良し悪しや一言メモ等、項目を絞って表を作成し、毎日記載して頂きました。そのデータをまとめ、通院時には同行し、主治医にデータを記載した紙をお渡しし、補足で普段のご様子をお伝えするようにし、続けることで主治医もそれをもとに話しを聞いて下さることも多くなりました。A様も主治医を信頼され、話をするのを楽しみにされており、良い所を見せたいと思う所はあったご様子なので、主治医にとっても参考になる所はあったようです。

 当初は違和感から始まったデータ収集ですが、1ヶ月の振り返りの際もこの資料を使い、話を行っていくと、数字への意識や拘りもあるA様でもありますので、数字の方が具体的で分かりやすかったのか、スムーズに月の目標や数字を出して話しをして下さることも多くなりました。モチベーションも上がられたご様子で、今まで体調不良で通所が難しかったり、共用部清掃も週2回行えない週が多かったA様が4カ月間欠勤無く通われたり、共用部清掃(トイレ掃除)を週2回意識して行われることが多くなったり、朝薬や夕薬の時間も概ね安定した時間に服薬出来るようになったりと、自分が思っている以上に頑張りを見せて下さり、ここが一番の収穫と思っております。他にも表にすることで、主治医にも状況をお伝えし易かったり、他職員との情報共有のツールとしても活用できたり、上記の様に振り返りもやりやすくポイントを絞ってお話しできたりと良い部分も多かった反面、長期的視野に立って、目標をA様と一緒に立てて、そこに向かっていくという風にした方が、もう少しモチベーションは上がっていたかもしれないと反省もあります。

 ”データを取る“というのはやり方としてはスタンダードだと思いますが、使い方やその利用者様の特性によっては“単なるデータ”が支援に活用出来たり、利用者様のモチベーションを上げたりできるツールになるのだと改めて思うことが出来ました。支援者側としても週1回程度しかその棟に入らなくても、その表を見れば、近況の様子がイメージしやすいのもメリットだと思います。そこから振り返りの面談時に“今月は休まず通所できた” “共用部清掃が今月は毎週2回ずつ出来ていた” “朝の服薬はちゃんと9時台での服用が多かった”等の出来ていた部分をお話しできたり、難しかった部分については目標をご本人から伺うことで、支援や声掛けがやり易くなったりしていました。現在はA様の担当は外れておりますが、データを取ることは継続されており、今後もA様にとってより良いツールとなることを祈るばかりです。

 現在も担当している利用者様の中で、食事偏りが見られる方がおり、ご本人の許可を頂き、レシートを概ね1週間毎に持参して頂き、どのような食生活をされているのか、調査をさせて頂いております。またその話は追ってご報告ができればと思います。

 

お気軽にお問い合わせください。