「耐性の窓」を活用したストレス対処の取り組み
耐性の窓とは
こんにちは。社会福祉法人SHIP グループホーム ラファミド八王子の前迫です。
当ホームでは、利用者様が安心・安全を感じながら、地域での生活を続けられるよう、日々の支援に取り組んでいます。
今回は「耐性の窓」を活用したストレス対処の工夫についてご紹介します。
「耐性の窓」とは、こころが落ち着いて物事に取り組める状態のことを指します。
逆に、不安や怒りが強すぎたり、落ち込みすぎたりすると、この窓の外に出てしまい、気持ちのコントロールが難しくなります。
スケーリング表と双極性障害
そこで、気持ちのコントロールに課題を抱えていた、「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」を有する利用者K様に対し、耐性の窓を応用した「スケーリング表」 を作成しました。
双極性障害とは、気分の波が大きくなる病気で、気分が高ぶって活発になる「躁(そう)状態」と、気分が落ち込みやる気が出なくなる「うつ状態」が交互に訪れることが特徴です。
躁状態 では、普段よりも気持ちが高揚して、あまり眠らなくても元気が続いたり、考えが次々に浮かんだり、行動が活発になりすぎることがあります。
うつ状態 では、気分が沈み、疲れやすくなったり、集中力が落ちたり、今まで楽しめたことが楽しめなくなることがあります。
このような気分の変化は、ご本人にとっても周囲にとっても大きな負担になることがありますが、薬物療法や心理的支援、生活リズムを整える工夫などによって安定した生活を続けられることが多くあります。
感情に応じたストレス対処
実際に使用したスケーリング表は以下になります。
「耐性の窓」や「スケーリング表」を活用し、ご本人が「今の気持ちはどのあたりかな」と確認できるように支援を行っていきました。
スケーリング表には「①~⑧」までの数字が書かれていて、たとえば「④~⑤」だと「ちょうど耐性の窓の中にいる」とわかります。
感情や体調にあわせてご自身の数字を指差したり、伝えていただくことで、スタッフもすぐに状態を理解しやすくなります。
「今は④だから落ち着いている。」「③になってきたから、リフレッシュをしよう。」といったやり取りができるのです。
また、利用者様と一緒に少しずつストレス対処の手段を増やしていくことにも取り組んでいます。
深呼吸、散歩、音楽を聴く、お茶を飲んでリラックスする…等、自分に合った方法を一つひとつ増やしていきました。
最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
当事業所では、
「支援される部分を少なくし、自分のできる部分を増やすこと」
「障碍の部分は社会資源を活用して補完し、自立へ導くこと」
という理念を大切にしています。
これからも、グループホームでの生活が安心して続けられるよう、利用者様と共に工夫を重ねてまいります。