あの人のいいところ、いくつ言えますか?~障がいを持つ人の自己評価アップへの取り組み~
休日に動物園へ行った時、一緒にいた人から「ハシビロコウ男子」と言われました。
こんにちは。ラファミド八王子世話人の足達です。
「???」と思って調べたら、ハシビロコウは獲物を獲るためにひたすらジーーーーーーっと待ち続けるそうです。
園内で見ていても一切動きませんでした。どうやらその人の私に対する評価は「忍耐強く落ち着いている」ということだそうですが、自己評価は単に「大人しい」だけで、忍耐強くはないと思います。
自己評価と他者評価が違うということはよくある話で、むしろ一致する方が稀なのではないでしょうか。
障がいの有無にかかわらず、自己評価が低く他者の評価を気にしすぎるあまりに生活場面で様々な支障が出てしまう方も数多くいらっしゃいます(原因としては、虐待を受けていた、褒められる機会が少なかった、自己決定の場面が少なかったなどが考えられるそうです)。
コミュニケーションが苦手・・・ひきこもる、輪の中から外れる、孤立
太っている・・・食生活の乱れ、拒食
何をやってもうまくいかない・・・定職につかない
などなど
「人は見た目が〇割」という本があったり、メラヴィアンの法則(*注)によれば、情報の5割は視覚から得ると言われているように、どうしても目に映るものから相手のイメージを作ってしまいがちになるそうです。
個人的に、ですが、人を見る時に意識をしないと悪い部分ばかりが目に付いてしまい、いい所を見るのにかなりの意識の傾けを要します。その方の全体を見ていい所を見つけ、それを伝えてご自身にも気づいてもらうというのも我々の重要な仕事の一つです。
(*注)メラヴィアンの法則・・・話し手が聞き手の何から情報を得ているかを数値化したもの
言語7%、聴覚38%、視覚55%と言われています。
ラファミド八王子では、月に一度の利用者ミーティングで「1か月に頑張った事」を職員も含めて発表するという取り組みを行っています。
仕事に休まず行けた、お金を管理できる日数が伸びた、自分の伝えたいことを相手に正しく伝えることが出来た、運動して体重が減ったなど、各々で頑張ったことを発表します。
中には「何もない」と仰る方もいますが、そのような方には職員が補助をして頑張った取り組みをお伝えします。
また、結果としてうまくいかなかったことでもそのプロセスで頑張ったことを伝えます(「金銭管理は失敗したけど職員の補助がなくても自分で収支計画を立てることが出来た」など、普段の様子観察の成果が問われる重要な場面です!)
他者評価を気にするようになるのは決していいことではありませんが、肯定的な意見を伝えることで自分でも知らなかった新たな一面の発見にもつながるのではないでしょうか。
周囲の方々の取組を聞く事が出来、プラスになった出来事を共有できるのもグループホームならではだと思います。
このような取り組みを繰り返していくことで少しずつでもご自身の生活に自信を持っていただければと思います。
ちなみに私が1か月で頑張ったことは…う~ん。
誰か私の行動を見て、自信が持てるような声かけをしてくれないかな…